梅見猫

 

 

 

 平成三十一年、うらうらに照れる日に……

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猫主の梅畑にあつまりて宴会をぶ…。

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初春の令月にして、気く風和ぎ、梅は鏡前の粉をひらき、蘭は珮後はいごの香をくゆらす。

加之しかのみにあらずあさけの嶺に雲移り、松はうすものを掛けてきぬがさを傾け、夕のくきに霧結び、鳥はうすものぢられて林に迷ふ。

庭には新蝶舞ひ、空には古雁帰る。

ここに天をきぬがさにし、つちしきいとし、膝をちかづけ、さかづけを飛ばす。

言を一室の裏に忘れ、ころものくび煙霞えんかの外に開く。

 

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淡然に自らゆるし、快然に自ら足りぬ。

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若し翰苑かんえんにあらずは、何を以てかこころべむ。

詩に落梅の篇を紀す。古と今とれ何か異ならむ。宜しく園の梅を賦していささかに短詠を成すべし。

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いきなりの今更ですが、新年号【令和】の出典元とされる万葉集『梅花歌 三十二首并序』の訓読文です(冒頭以外)。大宰府を題材にした巻五に収められています。

天平二年(730年)正月十三日、大宰府にある大伴旅人邸で開かれた梅花の宴の情景が描写されています。この時代、中国から鑑賞目的で輸入した梅を貴族は庭園に植樹し、饗宴が開かれていた事が背景にあるんですね。因みに生実の方は、そのまま生食されていたそうです。

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ここの所テレビもゆっくり観れず、由来について詳しく知る事ができなかったので、

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で原文を閲覧をしたりして、ようやく頭の中を整理させる事ができました。 

 

 梅の花 今咲けるごと 散り過ぎず 我が家の園に ありこせぬかも

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 春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ

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春なれば うべも咲きたる 梅の花 君を思ふと 夜眠も寝なくに

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我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも

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梅の花 今盛りなり 百鳥の 声の恋しき 春来るらし

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 萬代に 年は来経ふとも 梅の花 絶ゆることなく 咲き渡るべし

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